リサイクル業で開業するためには、必要な資格の申請を行うことが求められます。
無許可で営業を行えば違反となるため、あらかじめ必要な資格をよく確認しておくことが大切です。
本記事では、リサイクル業で必要な資格や取得方法などについて、わかりやすく解説します。資格の取得には時間がかかるケースがあるため、早めに申請を行い、余裕を持った開業スケジュールを検討していきましょう。
リサイクル業とは?
リサイクル業は、廃棄物の回収・加工などを行い、販売することで利益を得る事業を指します。
例えば、顧客の持ち込んだ不用品や安く売られている商品を仕入れれば、リサイクルショップで販売し、利益を得ることが可能です。
自分の店舗を持たなくても、不用品回収などで手に入れた商品をリサイクルショップや顧客に売ることで事業を運営することもできるでしょう。
また、使われなくなった自動車や機械などの製品の中から価値のある素材を抽出し、再利用を行うことを「素材リサイクル業」 などと呼びます。一言でリサイクル業といっても、種類はさまざまであることが分かります。
リサイクル業の必要な資格3個
リサイクル業を行うに当たっては、仕事の内容に応じて資格を取得する必要があります。無許可で事業を運営すれば罪に問われることもあるため、事前によく確認して申請を行いましょう。
本項では、以下の3つの資格の特徴や取得方法・必要となる場面について解説します。
・古物商の許可
・産業廃棄物収集運搬業許可
・金属くず商許可
■1.古物商の許可
古物商の許可とは、不用品を買い取ったり、売ったりする場合に必要な資格です。リサイクルショップを開業するといった際は、この資格が必要となります。
古物商の許可は、各都道府県にある警察署で申請を行うものであり、 以下のような手数料や申請書類が揃えば比較的簡単に申請できます。
・申請場所:営業所のある地域の警察署
・手数料:2万円程度
・申請書類:許可申請書、略歴書、住民票、誓約書、身分証明書など
法人としてリサイクルショップを運営する場合には、法人の定款や登記事項証明書が必要です。
なお、これらの書類は営業所のある地域を管轄している警察署に提出する必要があります。事業で使用する営業所の住所を登録しなければならないため、 店舗を持つのか、自宅で代用するのかなど、方向性をあらかじめ決めておきましょう。
申請してから認められるまでに時間がかかる場合があるので、利用する際は早めに申請しておくことをおすすめします。
■2.産業廃棄物収集運搬業許可
企業など、産業を通じて発生した廃棄物を収集・運搬するために必要なのが「産業廃棄物収集運搬業許可」です。
産業を通じて出た金属類や廃棄する機械類など、スクラップの回収を行うに当たっては、この資格を取得する必要があります。
・申請場所:収集や運搬を行う都道府県または政令市
・手数料: 8万円程度
・申請書類:申請書、事前計画書など
産業廃棄物収集運搬業許可を申請するためには、 日本産業廃棄物処理振興センターが開催する講習会を受講しなくてはなりません。講習会には3万円程度の費用がかかり、申請する際に修了書を提示することが求められます。
また、似たような資格として「一般廃棄物収集運搬業の許可」がありますが、こちらは一般家庭から出たゴミを収集・運搬する際に必要な資格です。
どの自治体でもすでに既存の企業などにゴミ回収を任せている場合が多く、新規で申請を行うことが難しいという点に注意が必要です。
■3.金属くず商
北海道や大阪をはじめとする一部の都道府県では「金属くず商」と呼ばれる資格が求められます。スクラップ業など、金属くずを取り扱う際に必要となる可能性があるため、合わせて申請を行いましょう。
・申請場所:営業所のある地域の警察署
・手数料:0円〜1万円程度( 都道府県によって異なる)
・申請書類:申請書、履歴書、住民票など( 都道府県によって異なる)
金属くず商の資格を得るには、 地域の警察署に手数料と申請書類を提出することが一般的です。都道府県によって指示される内容が異なるため、ホームページなどで確認するようにしましょう。
また、金属くず商は更新制であり、 3年ごとに更新手続きを行う必要があります。手続きを行わなければ資格の効力を失ってしまうため、十分に注意しましょう。
まとめ
リサイクル業で必要な資格は、事業を営む都道府県やその事業内容によって異なります。ビジネスの形態に合わせて、適切な資格を取得するように心がけましょう。