害虫駆除は開業時の費用がかかりにくいことから、個人事業主や自営業者が始めやすいビジネスモデルと言えます。
そこで本記事では、以下のような方を対象に、害虫駆除での独立の方法や、資格・成功方法などについて解説します。
・害虫駆除で独立開業したい
・害虫駆除関連の資格が知りたい
・何かしらのビジネスで独立したい
害虫駆除の仕事内容
害虫駆除とは、主にゴキブリやダニ、シロアリ・ネズミなどの害虫を駆除する仕事です。薬剤を散布したり、トラップを設置したりすることによって、室内に入り込んでしまった害虫の対応を行います。
これ以上害虫による被害を受けないよう、予防を担当するケースもあります。害虫の発生元や侵入経路を特定した上、状況に応じた適切な対策を見極めて実施します。
害虫駆除は、個人のお客様をはじめ、賃貸物件を管理する管理業者などからも依頼を受けることがあります。
また、飲食店や食品工場など、食べ物を扱う場所の衛生状態を高めることを目的とした依頼を受けている害虫駆除業者も存在します。
このように、一口に害虫駆除と言っても、お客様の種類や目的はさまざまです。衛生状態に対する意識がより高まりつつある近年は、害虫駆除の仕事は今後も需要があると考えられるでしょう。
害虫駆除で望ましい資格4個
資格を取得することによって、害虫駆除に関する知識を深め、お客様がより安心して依頼することができるでしょう。本項では、害虫駆除に関する資格を4つご紹介します。
■1.毒物劇物取扱責任者
毒物劇物取扱責任者とは、農薬や化学薬品などの毒物・劇物の扱いに関する資格です。毒物を製造する際には、この毒物劇物取扱責任者の国家資格を取得する必要があります。
害虫駆除にあたっては、害虫を処理するための特殊な薬剤を散布することがあります。お客様やスタッフをはじめ、近隣の住民などに健康被害が出ないよう、扱いに気をつけなくてはなりません。
独立開業すれば自らそのような薬剤を使う必要が出るため、開業時には取得するようにしましょう。毒物劇物取扱責任者の取得のためには、筆記試験と実地試験を受ける必要があります。
■2.防除作業監督者
「防除」とは、害虫や害獣・害鳥による被害を防ぐことを目的に、駆除や予防などを行うことを指します。防除作業監督者の取得のための勉強を通じ、薬剤の扱い方や駆除の方法など、害虫駆除を行う上での専門的な知識を学ぶことが可能です。
防除作業監督者は座学や実技による講義を受けた後、試験を受けることで取得します。出題範囲は講義で解説されるため、5日間の講義をきちんと受講していれば問題なく合格できるでしょう。
なお、 防除作業監督者は誰でも受講できるわけではなく、2年〜5年の業務経験が必要です。企業で実務を積んだ後に独立開業する際などには取得を検討するといいでしょう。
■3.ペストコントロール技術者
ペストコントロールとは、有害な生物の防除を行うことを指します。 ペストコントロール技術者は、防除の技術を持つことを証明するための資格であり、1級〜3級、および名誉技術者の4段階に分けられます。
ペストコントロール技術者を取得するためには、日本ペストコントロール協会が主催する養成講座を受ける必要があります。 養成講座の修了後は、協会に申請することによってペストコントロール技術者として承認されます。
害虫駆除の仕事を行う上で必須というわけではありませんが、資格の取得により、専門性の向上・お客様からの信頼の獲得といったメリットが得られるでしょう。
■4.しろあり防除施工士
しろあり防除施工士は、シロアリの駆除に加え、木材や建築・施工など、シロアリに関するさまざまな知識を問う資格です。
日本しろあり対策協会が主催する講習会を受講後、筆記試験を受け、基準点に達すると資格が取得できます。合格後は、申込書を協会に提出するとしろあり防除施工士として登録されます。
なお、受験するために最終学歴や実務経験に応じた基準が設けられており、基準を満たした人のみが受験できる仕組みです。
害虫駆除の開業手続き
害虫駆除業者として独立開業する場合には、 以下の方法で準備を行います。
1.必要書類を提出する
2.薬剤や車両など、必要なものを揃える
3.集客を始める
まずは「開業届」と呼ばれる書類を税務署に提出する必要があります。その名の通りビジネスを始めることを税務署に知らせるための書類であり、記入の方法は簡単です。
また、本格的に事業に力を入れていきたいという場合には、多くの節税効果がある青色申告で確定申告をすることがほとんどです。その場合は、開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておくといいでしょう。
書類の提出後は、必要な機材などを準備します。害虫駆除は大きな費用のかかるものは少なく、比較的少ない資金で開業できるでしょう。
準備が整ったのち、お客様から問い合わせをもらうための集客を始めます。具体的な集客方法については、次項で解説します。
害虫駆除の独立開業成功法6個
害虫駆除の独立開業時に使える集客方法を6つ紹介します。
■1.ポータルサイトへの掲載
1つ目は、個人事業主や自営業者が登録できるポータルサイトに掲載する方法です。害虫駆除をはじめ、引越しや不用品回収・ハウスクリーニングなどさまざまなジャンルの業者が登録できます。
登録のための費用がかからず、契約が成立した際の手数料を支払う仕組みになっているサイトも多くあります。費用を抑えて集客することができるため、害虫駆除の独立開業時には登録しておくといいでしょう。
■2.ホームページ制作
多くの人がパソコンやスマホで自ら情報を検索するようになった現代では、ホームページによる集客が盛んです。ホームページを制作して料金形態や強みなどを記載することで、 サービスの情報をより詳しく伝えましょう。
近年は、インターネットについての知識がなくても手軽にホームページが制作できるサービスやプラットフォームなどが増えています。自ら制作すれば、独立開業時にかかるコストを抑えることも可能です。
■3.リスティング広告
ホームページを作成した後は、多くのユーザーにアクセスしてもらうための施策を検討しましょう。中でも、リスティング広告は代表的な方法の1つです。
リスティング広告とは、 Googleなどの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードをもとに表示される広告を指します。
例えば、大阪で害虫駆除業者を探しているユーザーは「害虫駆除 大阪」「害虫駆除業者 大阪」などと検索するでしょう。リスティング広告は、ターゲットとなるユーザーが検索しそうなワードを狙って広告を出稿することで、ホームページのアクセスを促します。
■4.SEO
SEOは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」を表す言葉です。
検索エンジンで検索した際に、自分のホームページが検索結果の上位に表示されることを目指して行う対策を指します。
上位に表示されれば、ユーザーのアクセスが増え、費用をかけて広告を出稿しなくても問い合わせをもらえる可能性があります。
効果的にSEO対策を行うには知識やノウハウが必要ですが、Web関連に知見があるという場合はチャレンジしてみてもいいでしょう。また、外部の業者に頼むのも1つの手です。
■5.MEO
MEOは「Map Engine Optimization(マップ検索エンジン最適化)」のことです。Googleマップで検索した際、自分のビジネスが上位に表示されることを目指すための施策を指します。
MEO対策を行うには、Googleマップに自分の店舗を登録しておく必要があります。ビジネス名や住所・電話番号などの入力により簡単に登録できるため、店舗を持つ場合にはぜひ登録しておきましょう。
■6.チラシ・ポスティング
パソコンやスマホから情報を得ることが少ない高齢者層に向けて、チラシやポスティングで集客することも有効です。
サービス内容が書かれたチラシを作成して、自ら配布すれば、独立開業時の費用を抑えて集客することもできます。より本格的に集客に力を入れたいという場合には、チラシのデザインや配布を外注してもいいでしょう。
まとめ
害虫駆除の独立は、専用の届出や条件がないため、比較的開業しやすい事業として知られています。
しかし、資格を取得して知識を深めたり、集客に力を入れたりすることで、安定して事業を営めるように準備することは大切です。今回紹介した内容をもとに、害虫駆除業者としての成功を目指しましょう。