事件現場特殊清掃士資格の取り方!仕事・試験合格率・問題

特殊清掃を行うための知識があることをアピールする資格として「事件現場特殊清掃士」があります。 比較的簡単に取得できる民間資格ですので、独立開業や就職を目指す方は、取得を検討してみてはいかがでしょうか。


孤独死や自殺など、特殊な状況の現場を清掃することを「特殊清掃」と呼びます。

特殊清掃には、清掃を行うための専門性を証明するものとして「事件現場特殊清掃士」の資格があります。事件現場特殊清掃士の資格は、下記のような方が取得するのが一般的です。

・特殊清掃の仕事に興味がある
・特殊清掃業で自分の事業を立ち上げたい
・事件現場特殊清掃士の資格を使って就職したい

本記事では、事件現場特殊清掃士の資格の試験内容や難易度について解説します。取得後の年収・給料についても解説しますので、特殊清掃業に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

事件現場特殊清掃士とは?

事件現場特殊清掃士は、一般社団法人である「事件現場特殊清掃センター」が管理を行う資格です。

資格の勉強を通じて、孤独死など特殊な事情のある現場の清掃を行うための専門性を身につける目的があります。

特殊清掃を行うにあたっては、必ずしも資格が必要というわけではありません。

しかし特殊清掃を行うためには、激しい汚れや匂いを取り除くための方法や、体液を通じた感染を防ぐ方法などを学ぶことは大切です。事件現場特殊清掃士の資格を取得することで、現場で活躍するための知識を得ることができるでしょう。

事件現場特殊清掃士の仕事内容

事件現場特殊清掃士は、孤独死や自殺、事件・事故などの現場での特殊清掃を行います。具体的な仕事内容は、主に下記の通りです。

・汚れの除去
・除菌、消臭
・害虫の駆除
・リフォーム、解体

多くのケースでは、部屋の除菌や消臭をしながら清掃作業を行います。人が亡くなった際の汚れや臭いは強烈なものであるため、換気をしたり、自らの身を守ったりしながらの作業が必要です。

市販されている清掃用品では取り除けない菌や臭いも多くあります。そのため、業務用の強力なオゾン脱臭機や、薬剤を吹きかける噴霧器など、特殊な機材を使って作業を進めていきます。

人が亡くなった後の部屋ではハエやウジ虫などが発生することもありますが、事件現場特殊清掃士は害虫の駆除もあわせて担当することが一般的です。

また、これらの作業を行ってもなお、取り除けない汚れも出てくることでしょう。床や壁の汚れが落ちない場合は、部屋のリフォームや解体をするケースもあります。事件現場特殊清掃士が自ら行う方法のほか、提携する業者に依頼する方法も挙げられます。

事件現場特殊清掃士の資格の取り方と流れ

事件現場特殊清掃士の資格を取得するためには、事件現場特殊清掃センターが開催する養成講座の受講が必要です。

申し込みから資格取得までの具体的な流れは、下記の通りです。

1.ホームページなどから申し込み
2.自宅に教材が届く
3.各自で学習を行う
4.課題を提出し、基準を満たしていれば合格
5.認定証書の発行

まずはセンターのホームページから申し込みを行いましょう。申し込みは基本的に誰でも行え、決められた申し込み時期などもありません。学びたいと思ったタイミングで自由に申し込みができます。

申し込み後は自宅に教材が届くので、各自で学習を始めます。学習期間は2ヶ月間が目安とされていますが、間に合わない場合はセンターに連絡することで無料で延長可能です。

学習した後は自宅で課題を記入し、センターにオンラインもしくは郵送によって提出します。課題が基準を満たしていれば晴れて合格となり、認定証書が送られます。

合格後は特殊清掃を請け負う会社で働いたり、独立開業したりすることが一般的です。なお、センターでは独立開業を目指す方向けのサポートも行なっているため、そのような方法を活用してもいいでしょう。

事件現場特殊清掃士の受講料

事件現場特殊清掃士の資格取得にかかる金額は、下記の通りです。

・入会金:25,000円
・会費:5,000円(更新制)

養成講座の申し込み時には、入会金という形で25,000円を支払います。この入会金には、養成講座で使う教本や資料集・DVDなどの教材の費用が含まれています。

また、 課題を提出して合格と認められた際には、認定手続き代および会費として5,000円を支払います。この会費は更新制であり、2年を経過するごとに支払いが必要です。

事件現場特殊清掃士の試験合格率

事件現場特殊清掃士の試験の合格率は、公式ホームページなどでは公表されていません。

試験は課題(問題集)の提出によって行われます。自宅で教本を復習しながら問題を解けることや、養成講座で学習した内容が出題されることから、合格率は比較的高いものと推察されます。

養成講座の教本の内容をよく学習し、課題を落ち着いて解き進めていけば、特に問題なく取得できるでしょう。

しかし、中には「事件現場特殊清掃士の資格に落ちた」という声も見受けられます。自宅で完結する養成講座だからといって気を抜かず、慎重に学習するように心がけましょう。

事件現場特殊清掃士の試験問題

事件現場特殊清掃士は、届いた教本・資料集・DVDをもとに問題集を解きます。そのため、これらの教材の内容をもとに問題が出題されると考えられます。

ここでは参考として、教本で学べる主な項目について紹介します。

・特殊清掃の概要
・必要とされる理由
・特殊清掃を取り巻く社会問題
・実務面の知識
・事例研究

事件現場特殊清掃士の年収や給料

事件現場特殊清掃士として個人で独立開業する場合、設定する料金形態や用意する機材などによって年収は大きく異なります。

特殊清掃の報酬は、作業内容に応じて料金を受け取ることが一般的です。各作業のだいたいの料金は、下記の通りです。

・床上清掃:30,000円〜
・浴室清掃:30,000円〜
・薬剤の噴霧:10,000円〜
・オゾン脱臭:30,000円〜

これらの料金は部屋の汚れ具合や広さ、必要な作業員の人数などによっても異なります。オゾン脱臭機の使用や床板の張り替えなど、作業によって料金が上乗せされていきます。

また、特殊清掃を行う企業に従業員として就職する場合の一般的な給与は、以下の通りです。

・正社員:年収300万円前後
・アルバイト:時給2,000円前後

従業員として働く場合は、経験の有無や就職する企業によって給与にバラつきがあります。給与の安すぎる企業は信頼性に欠ける可能性があるため注意しましょう。

まとめ

事件現場特殊清掃士は、比較的取得しやすい資格と言えます。 取得すれば独立開業などの道も開けるため、起業して自分の事業を作りたいと考える方にもおすすめの資格です。

なお、事件現場特殊清掃士の資格を取得して独立開業を目指す場合には、あらかじめ特殊清掃を請け負う企業で試しに働くなどの機会を設けるといいでしょう。

養成講座は自宅での座学であるため、現場に出て実用的な知識を得たり、メンタル面での適性を確かめたりすることを推奨します。

本記事が、資格に興味のある方の参考になれば幸いです。

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