比較的参入しやすい事業として、ハウスクリーニングが注目されていることをご存知でしょうか。
今回はハウスクリーニングでの独立開業に必要な準備・資金などについて、わかりやすく解説します。
・会社を辞めて独立開業したい
・起業のアイデアを探している
・ハウスクリーニングでの開業を検討している
上記のような方に向けて、ハウスクリーニングでの開業方法をわかりやすく紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ハウスクリーニングの仕事内容
ハウスクリーニングとは、個人の顧客から依頼をもらい自宅の清掃を請け負うことを指します。普段は手が届かず掃除しにくいような場所を代わりに掃除したり、仕事などで忙しい顧客の掃除を代行したりするサービスが一般的です。
具体的には、以下をはじめとするサービスを提供します。
・エアコン清掃
・水回りの清掃
・床のワックスがけ
・窓ガラスの清掃
企業からの依頼で、オフィスや関連する建物の掃除・メンテナンスを行う業者も存在します。
ハウスクリーニングは、資金や資格といった面から比較的簡単に開業できることから、 独立開業を目指す多くの人に注目されているビジネスです。
また、多くのハウスクリーニング業者は、共働きで多忙のために家事に時間を割けない家庭や、高齢のため掃除が行き届かない家庭などを顧客として抱えています。共働き家庭の増加や高齢化率の上昇により、今後の需要も期待できる仕事と言えるでしょう。
ハウスクリーニングの独立開業準備6個
ハウスクリーニングで独立開業するためには、どのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、事前に行いたい準備を時系列に沿って紹介します。
■1.ターゲット・エリアの設定
一口にハウスクリーニングと言っても、そのターゲットはさまざまです。ターゲットによって準備する掃除道具や洗剤、集客方法などが変わってくるため、準備の初期段階で決めておくようにしましょう。
具体的には、以下をはじめとする選択肢が考えられます。
・マンションや一戸建て
・企業のオフィスや建物
・退去後の賃貸物件
・高齢者世帯
・共働き世帯
設定したターゲットを元に、活動するエリアを決めます。マンションや一戸建てといった個人宅をターゲットとするのであれば、住宅街かつ競合他社が少ない地域を選ぶことが大切です。
■2.集客方法の決定
ハウスクリーニングで売上を上げるためには、実際の清掃と並行して、集客活動にも力を入れる必要があります。具体的には、以下の集客方法が使えます。
・ポスティング
・新聞の折り込みチラシ
・ホームページ、ブログ、SNS
・ポータルサイト
ターゲットとなる顧客像から考え、どの集客方法が適しているか考えてみましょう。
例えば、高齢者を対象とする業者であればポスティングや新聞の折り込みチラシが適しています。 共働き世帯や若い世代などを対象としているのであれば、ホームページやポータルサイトといったオンラインでの集客を検討しましょう。
■3.サービス内容・料金の設定
設定したターゲットや自らの清掃スキルなどから、提供するサービス内容を決定します。
「エアコン」「お風呂」など、場所ごとにサービスのメニューを準備し、料金を設定することが一般的です。また「1時間で○円」といったメニューを準備している業者もいます。
さらに、リピーターを獲得するため「2回目の依頼で○%オフ」といった料金設定をする場合もあります。いざ依頼をもらったときに慌てないよう、事前に想定しておきましょう。
■4.機材・店舗の準備
ハウスクリーニングを行う上では、掃除で必要な機材を用意することが欠かせません。
ターゲットやサービス内容によって機材は異なるため、必要な物をよく検討してから購入するようにしましょう。場合によっては、高圧洗浄機や床用の洗浄機など、高額の機材を購入することもあります。
また、店舗を構える場合には、物件選びや契約に関する時間・費用も見積もっておく必要があります。店舗なしで運営する場合でも、機材などを保管しておく倉庫や場所について検討しましょう。
■5.届出・手続き
ハウスクリーニングとして独立開業するために、特別な書類や届け出は必要はありません。しかし、個人事業主として開業するためには「開業届」と呼ばれる書類を提出することとなります。
確定申告を青色申告として行う場合は「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出します。開業届とあわせて提出するといいでしょう。
また、ハウスクリーニングを行う上で、顧客の自宅や家具などを傷つけてしまう可能性もあるでしょう。万が一に備えて、損害賠償保険に加入しておくことが大切です。
■6.スタッフの採用・育成
ハウスクリーニングは1人でも行えますが、事業の規模によっては他にスタッフを採用することもあります。
ハウスクリーニングを行う中で、顧客が要望する日時が重なって1人では対応できない場合などが出てきます。そのような自体に備え、あらかじめスタッフを採用しておくのも有効です。
スタッフの育成については、オーナーと同行してスキルを習得してもらう他、セミナーやスクールなどを活用する方法もあります。
ハウスクリーニングの開業資金
ハウスクリーニングで開業するためには、300万円〜400万円ほどの費用を用意しておくことをおすすめします。
・車:80万円
・店舗、倉庫:100万
・清掃用の備品、機材など:100万円
・広告:20万円
・勉強、資格:10万円
必要な費用の中で多くの割合を占めるのが、店舗や倉庫の契約にかかる費用です。店舗が不要な場合や、そこまでの費用を払いたくない場合は、自宅の住所を店舗として登録することもあります。
また、掃除用の機材や洗剤なども必須です。高額のものを購入するとリスクとなる反面、安価なものを購入すると、ハウスクリーニング自体の質に影響してしまいます。費用対効果を考えながら、必要な物を購入していくようにしましょう。
また、フランチャイズとして開業する場合は、加盟金として数十万円の費用を支払うことが一般的です。
ハウスクリーニングの開業に資格は必要?
ハウスクリーニングで開業するためには、資格は必要ありません。しかし、資格を取得することで顧客からの信頼を得られたり、掃除のスキルを高めたりすることができます。
ハウスクリーニングに関連する代表的な資格は、以下の通りです。
・ハウスクリーニング技能検定
・クリンネスト
・日本掃除検定
・清掃マイスター
資格によっては、掃除のスキルだけではなく起業や宣伝の方法について学べるものもあります。ハウスクリーニングや独立開業の経験がないといった場合には、受験を検討しましょう。
ハウスクリーニングの独立開業で失敗するポイント3個
せっかく独立開業するのであれば、失敗を避け、効率的に成功したいと考える場合がほとんどでしょう。そこで本項では、ハウスクリーニングで失敗しやすいポイントを3つご紹介します。
■1.集客が苦手
起業に失敗した多くのハウスクリーニング業者が、集客につまずいています。具体的には、以下のような課題を抱えていることが一般的です。
・オンラインでの集客の方法がわからない
・チラシをポスティングしても効果が出ない
・不動産会社などに営業しているが、結果が出ない
現在は、ハウスクリーニング業者がホームページやポータルサイトなどの集客を始め、効率的に依頼を獲得しています。「Web関係は苦手」という場合は、多くのチャンスを逃してしまうことになるでしょう。
■2.積極的に動けない
中には、営業や集客といった活動が苦手で、依頼を待つばかりになっている業者もいます。
待ちの姿勢になっているのは、フランチャイズに加盟して独立した業者に多い傾向があります。本部から「安定して仕事を紹介する」と言われたにもかかわらず、仕事の件数が少なかったなどのケースです。
独立のためには、経営のために主体的になる必要があります。 時には企業に営業をかけたり、同業者に人手は足りているか聞いたりするなど、仕事を獲得するために行動してみましょう。
■3.リピートしてもらえない
ハウスクリーニングでの独立に失敗する業者の特徴として、顧客にリピートしてもらえないといったポイントも挙げられます。
一般的には、新規顧客を獲得するよりもリピーターを維持する方が時間や手間がかからず、スムーズに集客できます。事業を安定的に運営するためには、リピーターの存在が肝となるでしょう。
リピーターとなってもらうためには、依頼をくれた顧客に満足してもらうことが欠かせません。清掃自体はもちろん、身だしなみや言葉遣い、予約時の対応などにも気を配り、顧客と良好な関係を築くことが大切です。
まとめ
ハウスクリーニングは、スキルや資金の準備が比較的容易であるため、開業しやすい事業と言われています。
しかし開業にあたっては、事前に下調べを行い、適切に準備をしておくことが欠かせません。本記事などを参考に、独立開業での成功を目指していきましょう。