特別なスキルや資金が不要なことから、ハウスクリーニングで起業する人は多くいます。しかし、起業にあたってのリスクを考えると、なかなか踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
・成功した人はどのような人だろうか?
・失敗する人の特徴は?
・どのような開業準備が必要?
本記事ではこのような疑問を抱える方に向けて、ハウスクリーニングでの起業について解説します。
ハウスクリーニングの仕事の特徴
ハウスクリーニングは、主に以下の3種類の仕事に分けられます。
・個人宅の清掃
・賃貸マンションやアパートの空室清掃
・ビルメンテナンス
個人宅の清掃は、ハウスクリーニングという言葉から連想しやすい仕事なのではないでしょうか。共働き家族や核家族の増加により家事の担い手が減り、日常的な清掃を専門の業者に頼む人も多くいます。
賃貸の空室清掃を行うハウスクリーニング業者もいます。入居者が退去した際は、プロの手による清掃を行い、次の入居者に気持ち良く入居してもらえる状態にする役割があります。
オフィスビルや商業ビルなど、幅広い建物の清掃を行う「ビルメンテナンス」を請け負う業者もいます。内部の清掃はもちろん、外壁や窓ガラス、駐車場などを清掃・管理することが一般的です。
ハウスクリーニング起業で成功する人の特徴7個
ハウスクリーニングでの起業で成功する人は、どのような特徴があるのでしょうか。性格やスキルといった面から、成功しやすい人の特徴を7つご紹介します。
■ 1.仕事に誠実に取り組める
ハウスクリーニングは作業の成果が目に見えやすい仕事です。顧客に納得してもらえるよう、手抜きをせずに清掃に取り組む必要があります。
妥協して取り組むようなことがあれば「思ったよりきれいにならなかった」などと不満を持たれてしまうかもしれません。常に真面目に取り組むからこそ、顧客に満足してもらえる仕事と言えるでしょう。
■2.自ら集客を行える
ハウスクリーニングで起業するためには、まずは顧客を獲得する必要があります。具体的には、以下の方法などによって集客を行います。
・チラシのポスティング
・新聞の折り込みチラシ
・ポスター、看板
・Webサイト
・不動産管理会社への営業
清掃そのものはもちろん、集客や営業活動も自ら行わなくてはいけないという点を覚えておきましょう。
■3.体力がある
ハウスクリーニングは身体を使って仕事を行うことが基本です。
顧客から予約を受けて清掃を行うような事業である場合、予約時間に赴き、仕事をこなすということが前提となります。1日に複数の予約が入っていても「身体が疲れていて、仕事をキャンセルしてしまった」というようなことがないように、身体の調子に気を配ることが大切です。
また、ハウスクリーニングの内容によっては重い道具や機材を持つこともあります。筋力があり、身体が丈夫であるに越したことはないでしょう。
■4.コミュニケーション力がある
ハウスクリーニングでは、個人宅やオフィスビルなどの建物に出入りすることとなります。顧客に良い印象を抱いてもらえるように、挨拶や仕事の報告などを適宜行うことが必須です。
特に個人宅の清掃では、顧客のプライベートな空間に入ることもあるでしょう。不信感なく招き入れてもらえるよう、明るい接客ができる性格であることが望ましいと言えます。
■ 5.高いスキルを持っている
顧客に満足してもらうためには、清掃に関するスキルも必須です。「部屋がピカピカになった」「落ちないと思っていた汚れが落ちた」などと感じてもらえれば、次も継続して清掃を頼んでくれるかもしれません。
ハウスクリーニングの起業で成功するためには、顧客が自ら行えないレベルの清掃を提供する必要があるでしょう。汚れの種類や場所に応じた落とし方や、洗剤や道具の選び方など、清掃に関するスキルが求められます。
■6.清潔感がある
顧客の自宅やオフィスビルなどを清掃するハウスクリーニングは、自らが清潔感を持っていることも大切です。
清掃を通じて作業着が汚れやすいため、あらかじめ汚れにくい素材の作業着を選ぶといった対策が必要になります。また、個人宅での清掃は靴を脱いで家に上がることとなるため、靴下など細かい部分まで清潔にしておくことが求められるでしょう。
■7.スケジュール管理ができる
ハウスクリーニングは、より効率的に利益を上げることを考えてスケジュールを作成します。
例えば、1軒目と2軒目の距離が遠く移動時間が長いため、1日に2件しか作業ができなかったとしましょう。その場合は、ガソリン代や人件費などを加味すると、大した売り上げにならなかったというケースもあるかもしれません。
そのようなケースよりも、近いエリアで立て続けに3件清掃した方が、効率的に稼げる計算になります。
また、1軒の清掃にどれぐらいの時間がかかるのかといった感覚を養う必要があります。「次の現場があるので、中途半端な所で切り上げてしまった」といった事態にならないよう、作業にかかる時間を考えてスケジュールを組み立てることが重要です。
ハウスクリーニング起業で失敗する人の特徴3個
ハウスクリーニングの起業で失敗する人の特徴を3つご紹介します。
■1.集中力がない
ハウスクリーニングは、同じ作業を数時間続けるなど、根気がいる作業となることがあります。そのような作業が苦手な人や、集中して物事を行うことが苦手な人などは、苦痛に感じられることがあるかもしれません。
逆にそのような作業が好きな人は、顧客から「一生懸命取り組んでくれた」などと高評価を受けることもあります。
このような理由から、ハウスクリーニングは一つのことを長く続けられる集中力がある人の方が向いていると言えるでしょう。
■2.フランチャイズに頼りすぎる
フランチャイズで起業するメリットは、ネームバリューのある企業の名前を借りられたり、起業支援を受けられたりする点にあります。実際に、フランチャイズを通してハウスクリーニングの起業に成功した人もたくさんいます。
しかし、中には高額な加盟料だけとって顧客を紹介してくれないなど、あまり熱心ではない企業もあることが現状です。
フランチャイズに加盟する場合は、その企業がどんなサポートをしてくれるのか、事前によく確認しておくようにしましょう。
また、フランチャイズへの加盟をする・しないに関わらず、自らスキルを高め、集客を行う意識を持つことも大切です。
■3.起業を軽く捉えている
ハウスクリーニングは特別なスキルや高額な資金が必要ないことから、起業を望む多くの人に注目されています。
しかし、比較的起業がしやすいジャンルだからといって、なんとなくで起業してはうまくいかなくなる可能性もあります。
車や機材の購入をはじめ、スタッフの給与、自らの生活についても考えなくてはなりません。目先の利益だけではなく、数年にわたる資金繰りを検討するなど、起業してからも計画をよく練るようにしましょう。
ハウスクリーニング起業に必要な資金
ハウスクリーニングで開業する場合は、開業時に以下の資金を準備することが一般的です。
・店舗の契約料:200万円
・道具、機材:5万円〜100万円
・車両費:50万円〜100万円
・広告費:20万円
準備するものに応じて、金額に幅があることが特徴です。
例として、自宅を店舗兼倉庫にしたり、移動で使う車を中古で安く買ったりすれば、開業時の資金が安く収まることでしょう。
また、特別な機材を必要としない清掃を行うのであれば、市販されている道具などを購入することで、初期費用が安く抑えられるケースもあります。
なお、フランチャイズに加盟すれば、上記に加えて加盟料や研修費などを支払うことが大半です。
フランチャイズ本部に支払う金額としては、100万円ほどを見積もっておきましょう。開業後も、売上に応じた金額をロイヤリティとして支払う必要があります。
ハウスクリーニング起業の手続き
ハウスクリーニングで起業する場合に必要な手続き・届出は以下の通りです。
・開業届
・青色申告承認申請書
・個人事業開始申告書
・請負業者賠償責任保険
「開業届」と「青色申告承認申請書」は、管轄する税務署に提出する書類です。
個人事業主の確定申告には、青色申告と白色申告がありますが、青色申告の方が経理業務が複雑な反面、大きな節税効果が見込めます。青色申告を行う際は、開業届と同時に申請書を提出するといいでしょう。
「個人事業開始申告書」は、開業届と同じく事業を始めたことを知らせるための書類です。しかし、開業届は税務署に提出するのに対し、個人事業開始申告書は都道府県税事務所に提出します。
「請負業者賠償責任保険」への加入は必須ではありませんが、ハウスクリーニングを行う中では顧客の自宅や所持品などを傷つけてしまうリスクがあります。万が一賠償金を支払うことを求められた場合を考えると、加入しておいた方が安心です。
ハウスクリーニングの週末起業は?
副業としてハウスクリーニングを始めて、本業以外での収入源を確保する人もいます。
中には、週末起業として実験的に起業し、段階的に事業を広げていく人もいます。起業初心者である場合や、清掃・営業に慣れていない場合などは、週末起業からチャレンジしていくこともおすすめです。
いきなり本業を辞めるのが不安な際には、副業として起業してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ハウスクリーニングの起業を行った人の中には、毎月100万円以上の売上を上げる人もいます。起業して成功したいと考える方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。