サイテーションの意味とは?
サイテーション(citation)は「引用」「言及」などの意味を持つ言葉です。特にSEOやMEOの分野では「会社名や店舗名などの情報が、他のサイトやSNSに記載される」という状態を指します。
・会社名、店舗名、ブランド名
・電話番号
・住所
・a要素ではないテキスト状のURL
具体的には、上記の情報が引用される時にサイテーションと認識されます。サイテーションを獲得すれば、SEOやMEOに良い影響を与えると言われています。
サイテーションと被リンクの違い
Googleが検索結果を決める指標の一つとして、外部のサイトから自分のサイトへのリンクとなる「被リンク」があります。
被リンクはURLを貼る必要があるのに対して、サイテーションはURLを貼る必要がありません。ただ単に会社名や電話番号といった情報が記載されるだけで、サイテーションと認識されるという違いがあります。
ビジネス名「フライヤー」と仮定して、サイテーション・被リンクの例を見てみましょう。
<サイテーションの例>
Webメディア「フライヤー」を要チェック!
<被リンクの例>
Webメディア「フライヤー」はこちらから!
https://fly-er.jp/media/
URLを必要としない分、サイテーションは気軽に取り組みやすいと言えるでしょう。
サイテーションのSEO効果
サイテーションを獲得することは、SEOに効果的と言われています。
Googleは、検索結果の順位を決定する指標の一つとして「知名度」を挙げています。知名度には「オンライン上でどれだけ知られているか」といったポイントが含まれます。サイテーションでビジネスについて言及されれば、より知名度の高いビジネスとしてみなされ、サイトの評価も高まる可能性があります。
Googleは「サイテーションを獲得すれば順位が上がる」と明言しているわけではありません。しかし知名度の観点から考えれば、効果が期待できると言っていいでしょう。
また、同じ理由から被リンクもSEOにおいて重要とされます。SEOを利用して集客を測るのであれば、サイテーション・被リンクともに重要な要素と言えるでしょう。
サイテーションのMEO効果
サイテーションはGoogleマップの上位表示のためにも重要です。
SEOと同じく、MEOを左右する要素に「視認性の高さ(=知名度)」があるとGoogleが発表しています。これにはオフライン上はもちろん、オンライン上の知名度も含まれます。
MEOにおけるサイテーションの効果についても、Googleが名言しているわけではありません。しかしサイテーションを取り入れることで視認性が高まり、Googleマップのランキングでも有利になることが期待できます。
また、SEO対策を行うことで結果的にMEOにも良い影響を及ぼすことが知られています。サイテーションなどの施策により自分のサイトのGoogleの検索順位が上がれば、Googleマップでも上位に表示されやすくなります。SEOとMEOが、効果を互いに高め合う可能性があるのです。
サイテーションの獲得状況の調べ方
自社のビジネスがどの程度サイテーションを獲得できているのか、以下の方法でチェックしてみましょう。
■1.Googleで検索
サイテーションを調べる一つの方法として、Googleで検索する方法があります。
「“”」の中に自分のサイト名や会社名を入力します。また、サイテーションでは外部のサイトやSNSで言及される必要があります。「-site:」により自社サイトのドメインを除外し、検索してみましょう。
検索結果のページに「約1,000件」などの数字が表示されます。獲得したサイテーションの度合いとして参考にするといいでしょう。
■2.Yahoo!リアルタイム検索
Yahoo!リアルタイム検索では、Twitter上でどの程度サイテーションを獲得しているかをチェックできます。
検索すると、会社名やブランド名などについて言及されたツイート数が数値化され、グラフ上で確認できます。
ユーザーのツイートが好意的かそうでないか、自動で判断する機能が備わっています。また、呟かれた順にツイートを表示できるため、ユーザーから評判をリアルタイムで調べられるというメリットもあります。
サイテーションを獲得するやり方と対策6個
サイテーションの獲得に有効な方法6つをご紹介します。
■1.構造化マークアップ
構造化マークアップとは、自社サイトを検索エンジンにわかりやすく伝えるための手法を指します。
Googleの検索結果は、人間が一つ一つのサイトをチェックして順位を決めているわけではありません。「クローラー」と呼ばれるプログラムがサイトをチェックして回ることにより、自動的に決定されます。
検索上位を獲得するためには、クローラーに自社サイトを理解してもらいやすくなるような工夫をすることが重要です。NAP情報の統一を行いましょう。NAP情報とは、下記の情報を指します。
・会社名・ビジネス名(Name)
・住所(Address)
・電話番号(Phone)
これらの情報をサイトに記載する際には、全角や半角、カタカナや英語など、表記の仕方を合わせるようにしましょう。NAP情報を統一することで確実にサイテーションを獲得し、クローラーにわかりやすく情報を伝えます。
■2.SNSで情報を発信する
TwitterなどのSNSは、費用をかけず手軽にサイテーションを獲得できる方法の一つです。
SNSを運用していない場合はアカウント作成し、情報を発信していきましょう。その際に、会社名やサイト名などを入れるようにします。サイテーション獲得のためはもちろん、ユーザーからの認知も得られやすくなるというメリットがあります。
日々の情報発信に加え、プロフィールにも会社名や商品名などを忘れずに入力しましょう。自社サイトのURLを掲載すれば、アクセス数アップも期待できます。
■3.わかりやすい名称をつける
SNSは、ユーザー自ら情報を発信・拡散してくれるため、思った以上の宣伝効果が生まれることががあります。SNSを有効に活用するためには、ユーザーにとってわかりやすいブランド名・店名であることが大切です。
難しい表記のブランド名や、おしゃれすぎて読みにくい店名は、ユーザーがうまく入力できないことがあります。長すぎる名称も、省略されたり間違えられたりする危険があるでしょう。
人間が見れば「○○のお店のことを言っているのだな」とわかっても、Googleのシステムはうまく理解できないことがあります。間違った表記はGoogleに認識されず、せっかくビジネスのことに言及されてもサイテーションの効果がうまく出ません。
Googleに自分のビジネスを伝えるためにも、店名などには短く覚えやすい名称をつけることを意識しましょう。わかりやすい名称をつけることで、ユーザーから認知をされやすいというメリットもあります。
■4.Googleマイビジネスに登録する
サイテーション獲得のためには、Googleマイビジネスに登録し、運用していくことも有効です。
Googleマイビジネスを上手に活用していくことで、ビジネスの情報について言及する機会も増え、オンライン上の知名度が高まる可能性があります。また、自社サイトへの流入や、そこからの集客・売上にも繋がるというメリットもあります。
Googleマイビジネスは、誤入力があればサイテーション獲得のための効果が出ない点に注意が必要です。自社サイトやSNSと同様、Googleマイビジネスでも情報の表記の統一を徹底するように心がけましょう。
■5.Webメディアに紹介してもらう
自社の店舗や商品などを、Webメディアなどで紹介してもらうことも有効です。外部サイトでのサイテーションを獲得でき、SEOに有利に働きます。
店舗名をはじめ、電話番号や住所などもあわせて記載してもらうといいでしょう。もちろん、ここでも正しい表記で掲載してもらうことが大切です。メディアに掲載してもらった時は、その観点からの確認も忘れないようにしましょう。
また、ユーザーに認知してもらえるという点からも有益です。大手のメディアでの掲載が難しくても、自社のジャンルに特化したメディアなどを探し、交渉してみるといいでしょう。
■6.SNSの拡散・口コミ投稿を促す
サイテーション獲得のために、SNSは積極的に使っていきたいツールの一つです。「#(商品名)」「#(ブランド名)」など、ハッシュタグ(#)を利用した対策を行いましょう。
具体的には、下記のようなキャンペーンを開催するなどの方法が有効です。
・ハッシュタグをつけて来店の感想を投稿してくれた人にデザートのサービス
・リツイートをしてくれた人に抽選でプレゼント
・「ハッシュタグをつけて皆で盛り上がろう」などの声かけ
口コミを促すのも有効です。Googleマイビジネスや予約サイトなどで口コミが増えれば、外部サイトで自社のビジネスが言及されたことになります。また、口コミは「興味はあるけれど、まだ来店・購入には至っていない」というユーザー層に対してのアピールとしても重要です。
サイテーションを獲得する時の注意点
サイテーションはSEOにとって有効ですが、常に良い効果を発揮するとは限りません。
SNSや口コミによってサイテーションを獲得しようとすれば、その分リスクも発生します。「商品の質が良くなかった」「接客態度が悪かった」など、ネガティブな投稿がされることもあります。
それを見た他のユーザーからは、来店や購入を敬遠されてしまうことがあります。さらに、ネガティブな情報が多ければ、検索エンジンから「ユーザーに提供すべき情報ではない」と判断される可能性があります。その結果、SEO対策をしても思うような結果が出ないという恐れがあります。
また、サイテーションは闇雲に増やせばいいというわけではありません。サイトの評価を上げようと無理に増やそうとすれば、かえってSEO的に悪影響を及ぼす可能性もあります。
表記を統一したり、外部サイトでの言及を集めたりと、自然な形でのサイテーションを獲得するようにしましょう。
まとめ
サイテーションを獲得することは、SEOやMEOにとって有効です。しかし、サイテーションだけを意識して来店数や売上数が飛躍的に向上するとは、なかなか考えにくいものです。Googleマイビジネスや自社サイト・SNSなど、他の戦略と並行して対策していきましょう。
また、ネガティブなサイテーションを受けても、削除することは難しいことがあります。サイテーション獲得が悪い方向へ作用しないよう注意するといった視点を、常に忘れないようにしましょう。
ポジティブなサイテーションを増やしてGoogleから良い評価を受けるためには、業務における日常的な心がけも大切です。商品やサービスの質を向上させたり、接客に力を入れたりといった施策も、コツコツと続けていきましょう。