昨今のGoogleは検索エンジンにおけるユーザーの利便性向上のために、自然検索枠と広告枠以外にあらゆる枠を検索結果画面に設けるようになりました。その中でもとりわけなじみがあるのは「ローカルパック」と呼ばれるもので、MEO対策の肝といっても過言ではないでしょう。
そこで今回はローカルパックの概要や表示されたときのメリット、種類、対策方法についてご紹介していきます。
本記事を読めばローカルパックの仕組みをはじめ、何をどう対策していけばいいのか明確になるので、ぜひ参考にしてください。
ローカルパックとは?
ローカルパックとは、Google検索において特定のキーワードで検索したときに、地図とともに店舗の詳細が表示される枠のことをいいます。表示される店舗数は、基本的にGoogleが最もオススメする上位3店舗ですが、場合によっては2店舗のみのときや4店舗のときなど様々です。
枠の下にある「さらに表示」ボタンをクリックすれば、検索キーワードに該当するすべての店舗の詳細もマップとともに確認できます。特徴としては、表示される店舗が基本的に上位3店舗のみであること、検索結果の上のほうに表示されること、ユーザーの来店見込みが高いことなどが挙げられます。
ローカルパックが表示されるのは「品川 旅館」のように、主に「地域名+業態名」で検索されるときが多いのですが、必ず表示されるわけではないということは注意しておきましょう。
ローカルパックのメリットとは?クリック率が高い?
ローカルパックに表示されるとクリック率が格段に高くなり、非常に有効です。ローカルパックのメリットは大きくわけて以下の3つがあげられます。
・知名度向上やブランディングにつながる
・多くの集客が見込める
・無料で対策できる
■知名度向上やブランディングにつながる
ローカルパックに表示されれば多くのユーザーの目に留まるため、当然、自店舗の認知拡大につながり、さらに店舗詳細まで確認してもらえれば、店舗についてより深く知ってもらえるでしょう。
さらに、ローカルパックに表示される店舗はGoogleから推薦されているだけあってユーザーに心理的な親しみを与えやすく、「人気の店舗なのかな」「安心できそうだな」と好印象をもってもらえるため、店舗のブランディングにもつなげられます。
■多くの集客が見込める
多くの人に店舗の存在を知ってもらえれば、それだけの多くの来店数も見込めます。近年、パソコンユーザーよりもモバイルユーザーのほうが圧倒的に多くなってきており、スマホで店舗を探すユーザーも増えてきているので、ローカルパックに表示されていればより多くのユーザーをかき集められるでしょう。
■無料で対策できる
ローカルパックに表示される店舗は、Googleマップにおいて同じキーワードで検索したときの上位店舗に該当します。つまりMEO対策を実施することによって、ローカルパックに掲載される確率が高まるということです。
MEO対策はGoogleが無料で提供しているGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)を利用すれば無料で対策できるため、この機会にぜひ取り組んでおきましょう。
ローカルパックの種類
ここまでローカルパックの概要について解説してきましたが、ローカルパックの表示形式には以下3種類があります。
・通常のローカルパック
・ローカルスナックパック
・ローカルABCパック
それぞれに、見た目と掲載される情報に違いがあるので1つずつご紹介していきます。
■通常のローカルパック
「地名+業種」などで検索したときに表示される最も一般的なローカルパックです。
例えば「新宿 美容室」と検索すると、以下のように表示されます。
店舗名や星の評価、住所、営業時間、Webサイトや経路案内のリンクなど、基本情報が地図と一緒に表示されます。
■ローカルスナックパック
ローカルスナックパックは、店舗の画像や検索キーワードに関わる情報の一部が表示されるのが特徴です。
業態としては飲食店や美術館、動物園や博物館などでよく見られ、例えば「新宿 居酒屋」と検索すると以下のように表示されます。
ローカルスナックパックは電話番号や予約、経路案内、Webサイトへのリンクなどが表示されないかわりに、ユーザーが比較検討しやすいように工夫された形式になっています。
■ローカルABCパック
ローカルABCパックは、複数ある店舗の指名検索やジャンル名で検索したときに表示されるローカルパックです。
例として「新宿 駐車場」や「新宿 タイムズ」などで検索すると以下のようなローカルABCパックになります。
店舗名の左側にA・B・Cのアルファベットが表示されるためローカルABCパックとよばれており、このような表示形式になるのはコンビ二や薬局、ガソリンスタンド、駐車場などの業態があります。
これらの業態はユーザーのレビューがさほど重要ではないため、通常のローカルパックやローカルスナックパックと違って星の評価や口コミは表示されません。
ローカルパックに表示される選定基準
ローカルパックに表示される選定基準は、以下3点を重視してGoogleが判断しています。
・検索キーワードとビジネスの関連性
・ユーザーと店舗の距離
・ビジネスの知名度
これら3つの要素はGoogleマップ内での検索順位を決定する要素と同じです。
つまり、MEO対策における上位表示とローカルパックへの表示は別々のものではなく、1つの線で繋がっており、ローカルパックへ表示するためにはMEO対策をしていく必要があります。
次の章で具体的な対策方法を解説していきます。
ローカルパックに表示されない時の対策6個
「ローカルパックに自店舗を表示させたい!」という方のために、ここでは具体的な対策方法について6つほどご紹介していきます。
考え方としてはMEO対策と同じなので、大前提Googleビジネスプロフィールの登録は事前に済ませておきましょう。
対策方法は以下の6つです。
1.ビジネス情報を充実させる
2.定期的に更新し、最新情報を保つ
3.口コミや評価に返信をする
4.口コミや評価してもらえるような工夫をする
5.SEO対策やSNS集客など、他の施策も強化する
6.Webサイトをモバイルフレンドリーにする
ひとつずつご紹介していきます。
■1.ビジネス情報を充実させる
店舗のビジネス情報を充実させているかどうかは、数ある対策方法の中でも最も重要度が高い内容です。ビジネス名やビジネスカテゴリ、電話番号、住所、営業時間、サービス説明など最低限必要なことは必ず記載するようにしましょう。
■2.定期的に更新し、最新情報を保つ
Googleビジネスプロフィールは常に最新状態に保っておくよう意識しましょう。店舗ビジネスはオンラインと違って、ユーザーにとっては何かと手間がかかります。それなのに古い情報をそのままにし、それを信じたユーザーと店舗側とで認識違いが起きれば、当然トラブル発生につながり、店舗に対する評価を著しく下げてしまいます。
そのため、ビジネス情報は常に最新のものに保つようにしておきましょう。
■3.口コミや評価に返信をする
ユーザーからもらった口コミや星の評価には、必ず返信するようにしましょう。評価に対する感謝の気持ちを伝えたり、有益な情報を提供したりすることで、新規のお客様をリピーターにつなげられる可能性があります。
また、悪い評価やクレームコメントにも真摯に対応することが大切です。誠実に対応することで、再度来店してくれるかもしれませんし、関係性がよくなれば常連客になってくれるかもしれません。
間違っても非難したり、お客様のせいにしたりしないようにしてください。
■4.口コミや評価してもらえるような工夫をする
良い口コミや星の評価はMEO順位を決める重要な指標のひとつです。サービスを利用してもらったお客様には、できるだけ評価してもらえるような工夫をするとよいでしょう。
口コミをしてもらうためには「ビジネス情報の露出経路を増やすこと」、「口コミやレビューを書くことでどんなメリットがあるのかをお客様に訴求すること」が大切になります。
自店で何か打てる対策はないか考えてみましょう。
■5. SEO対策やSNS集客など、他の施策も強化する
SEOやSNSなどからの集客に力をいれることによって、インターネット上での総合評価を高め、少なからずMEOにも良い影響を及ぼします。
これはローカルパックに表示されるための選定基準のところで先述した、要素の1つである「知名度」に該当するものです。
もちろん一遍に対策を行うのは大企業でない限り簡単なことではありませんが、自社のリソースや費用感なども考慮しつつ、徐々に対策していくことをオススメします。
■6.Webサイトをモバイルフレンドリーにする
ビジネス情報からリンクで繋げるWebサイトを、モバイルフレンドリーなサイトにすることも重要です。
モバイルフレンドリーとは、サイトの見た目に関して、パソコンからだけでなくスマホやタブレットなどのデバイスから見てもくずれたりしないよう、最適化することをいいます。
スマホの爆発的な普及により、パソコン以外のデバイスから検索するユーザーも増えてきているため、Webサイトをモバイルフレンドリーにしておきましょう。
ローカルパックに表示させる広告
ここまで、MEO対策によってローカルパックに表示させる方法についてご紹介してきました。しかしローカル検索広告を使うことで、MEO対策を行わなくても狙ったキーワードで表示できます。
また、ユーザーが地域名を含めないキーワードで検索したとしても、GPSで取得したユーザーの位置情報をもとに自店舗の情報を掲載することも可能です。
ローカル検索広告を使用した場合、店名の下あたりに「広告」との表記はされますが、どうしても希望するキーワードで表示したいということであれば、1つの手段としてとても有効といえるでしょう。
まとめ
今回はローカルパックについて、表示されたときのメリットや種類、対策方法などを解説してきました。
ローカルパックへの表示に成功すれば、Googleマップ内での検索だけでなく、通常のGoogle検索から店舗を探そうとするユーザーにまで幅広くリーチでき、高い集客効果が見込めます。
またローカルパックに表示されるために、MEOは欠かせない施策になるので、店舗を運営していてまだ取り組んでいない方は、しっかりと対策しておきましょう。