店舗ビジネスを営む上で必ず向き合わなければならないのが、お客様からいただく低評価の口コミ。こういった口コミはあまりいい気持ちになるものではありませんが、低評価の中にも店舗の改善につながるような善意で投稿した口コミと、悪意しかないようなひどい口コミがあります。
そして、良い口コミなのかそうでないかは、低評価の口コミを投稿するユーザー心理を理解することで、ある程度予測できます。
そこで今回は、悪い口コミを書く人の心理と書かれたときの対処法を詳しく解説していきます。本記事を参考にして、向き合うべき口コミなのかどうかを見極められるようになりましょう。
悪い口コミを書く人の心理4個
悪い口コミを書く人の心理を4つご紹介していきます。
・店舗に対しての不満
・店舗に対する期待感
・自分の存在をアピールしたい
・競合店舗に対する嫉妬
以下より詳しく見ていきましょう。
■1.店舗に対しての不満
最も一般的な心理は、その店舗を利用したユーザーが一連の体験をとおして満足できなかったときです。店舗に足を運んだということは、何かしら店舗に期待をしているわけですから、それを裏切られるような体験をすれば、口コミを投稿したくなるのも当然といえるでしょう。
現場にいるときにはすでに不満を感じているはずですが、その場で直接言えない方や電話で問い合わせる勇気がない方、あるいはそれが面倒くさいと感じる方がこのような心理で口コミ投稿をする傾向にあります。
■2.店舗に対する期待感
店舗に対する期待感から、あえて欠点を指摘するケースです。このような投稿をする方はその店舗をよく利用しているリピーターが多く、自分が好んでいく店舗だからこそ「もっとこうしてほしい」「ここはいいけど、ここがあまり良くない」という気持ちを投稿します。
単なる批判や悪口を書くような方ではなく、穏やかな性質のお客様である可能性が高いため、そのような方にファンになってもらえるよう、見逃してはならない重要な口コミです。
参考になることが多いはずなので、ユーザーの気持ちをよくよく考察し、改善に努めましょう。
■3.自分の存在をアピールしたい
良い口コミが多い中であえて自分一人が悪い口コミを書くことで、「自分だけは人と違う考え方をしているんだ」「人が知らないことを自分は知っているんだ」ということをアピールし、満足感を得ようとする心理です。
他の人とは違うことをしたくなる天邪鬼な方や目立ちたがり屋な方が、このような投稿をする傾向にあります。インターネットにおける個人の匿名性が高いことをいいことに、現実ではできないことをネット上で行い、自分の存在をアピールするとともに、ストレス解消をするというかなり悪質なものです。
後述する方法で、しかるべき対処をとりましょう。
■4.競合店舗に対する嫉妬
Googleマップの口コミは、Googleアカウントさえあれば誰でもカンタンに投稿できるため、ユーザーを装って、競合店舗の評価を落とそうと投稿するケースも少なからずあります。
このような嫉妬から生まれる口コミ投稿は、本当にサービスを利用したうえで書いているのかどうか見分けるのが難しいでしょう。人気がある店であるほど、このような被害にあいやすいため注意が必要です。
悪い口コミを書かれた時の対処法5個
つづいて、悪い口コミを書かれたときの対処法について解説します。
対処法は大きく以下の5つです。
・口コミに対して返信する
・Googleに口コミの削除を依頼する
・法的措置をとる
・高評価をできるだけ多く集める
・サービスの質を向上させる
■1.口コミに対して返信をする
口コミ内容が良いものであっても悪いものであっても必ず返信をしましょう。お客様の投稿に返信することで、ユーザーに「お客様を大事にする店舗なんだな」という印象を与えられるからです。たとえ悪い口コミだったとしても返信をすれば、誠実さをアピールできますし、対応の仕方によっては再度来店してくれる可能性もあります。
さらにお客様が誤解しているようなコメントであった場合、返信内容で弁解することもできます。返信の仕方として、良い口コミだった場合は店舗を利用してくれたことに対する感謝の言葉と、リピーターにつなげられるような興味をそそる返信内容がオススメです。
悪い口コミだった場合も、利用してくれたことへの感謝の気持ちを述べたうえで、不愉快な気持ちにさせたことへの謝罪と、どのように改善していくのかを具体的に伝えるとよいでしょう。
間違っても逆上して、お客様を批判するようなことはしないようにしてください。
■2.Googleに口コミの削除を依頼する
店舗のオーナー権限をもっている方やその他ユーザーは、投稿された口コミを直接削除することはできませんが、Googleに対して削除申請ができます。
以下の10項目に該当する口コミはGoogleポリシーにのっとり、削除の対象になります。
・スパムと虚偽のコンテンツ
・関連性のないコンテンツ
・制限されているコンテンツ
・違法なコンテンツ
・テロリストのコンテンツ
・露骨な性的表現を含むコンテンツ
・不適切なコンテンツ
・危険なコンテンツおよび中傷的なコンテンツ
・なりすまし
・利害に関する問題
以上の10項目に該当しない口コミは、Googleに報告したとしても削除されることはありません。
その場合、先述したように口コミに返信をするかたちで対処しましょう。
■3.法的措置をとる
口コミ内容の悪質性が認められる場合、プロバイダ責任制限法第4条に基づき「発信者情報開示請求」ができ、プロバイダを介して口コミの投稿者を特定できます。
名誉棄損罪や業務妨害罪などの刑事告訴および損害賠償請求の法的措置、そして弁護士費用負担などを請求できる可能性が高いでしょう。その際、URLや投稿のスクリーンショットの提出が必要となるため、あらかじめ証拠を残しておくことを推奨します。
■4.高評価をできるだけ多く集める
口コミ投稿数が少なければ低評価をもらうとかなり目立つため、できるだけ多くの高評価をもらえるようにしましょう。高評価の数が多ければ多いほどその中に埋もれ、低評価はあくまで少数の意見として、心理的に気にする方が少なくなるからです。
また高評価を多くもらうことで、MEO順位にも好影響を及ぼします。そのため、できるだけ多くの高評価をもらえるよう工夫をほどこす必要があるでしょう。
注意点として、口コミはユーザーの裁量で並び順が変更できるため、評価の低い順で見られることもあります。そうなると口コミに対する返信内容が重要になってくるはずなので、やはり口コミに対する返信は行っておきましょう。
■5.サービスの質を向上させる
お客様のためにサービスの質を向上させるという本質的なところは忘れないようにしてください。
Web集客に力を入れていると、ついGoogleを攻略することばかりに目が行ってしまい、ガイドラインに違反した行為に手を出すなど、手段が目的のようになってしまうケースがしばしば見受けられます。自分の店舗が本来何のためにビジネスを行っているか原点に立ち返って、見つめ直してみましょう。
これはMEO対策だけでなく、SEO対策など他の集客施策にもあてはまることなので十分に注意しましょう。
まとめ
今回は、悪い口コミを書く人の心理と書かれたときの対処法5個について詳しく解説してきました。
ユーザーの生の声を聞ける口コミは店舗の改善にとても役に立ちますが、最も重要なのことは、その投稿をしたユーザーの心理をきちんと理解することです。
文章の表面だけを見るのではなく、その奥に隠された意図を把握することで、どのようなユーザーが店舗に来てくれているかもわかるため、必ず知っておくと良いでしょう。